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Kochi University of Technology

日常と災害時をシームレスにつなぐ保健・医療施設の計画提案に向けて ―フェーズフリー(備えない防災)な健康危機管理拠点の整備―


概要 今年の元旦は思いがけない大地震の報道に日本中が言葉を失い、今もまだその余波は計り知れない。災害に備えるとは、を改めて考え直す機会を得た。日本の災害時の医療体制は、阪神・淡路大震災を契機に災害拠点病院の施設整備と災害派遣医療チーム(DMAT)の人材整備を中心に進められてきた。その後、東日本大震災や熊本地震を経て、保健・医療全体をマネジメントする機能の必要性が指摘され、厚生労働省は自然災害時における被災地域の保健医療活動に係る体制整備モデルを示し、保健所が災害時危機管理支援チーム(DHEAT)の支援活動拠点となった。ところが、建築学の観点から「保健所」の議論は蓄積がなく、災害時の拠点建物とするには構造や機能が不十分ではないかと考え、さらに日本全国の自治体で公共施設の見直し・再編が検討されており、今後のフェーズフリーな保健所のあるべき姿を検討するに至った。高知県においては、同時に僻地医療の問題が大きく、かつ全国的な人口減少のトップランナーであるが故に、高知県下の僻地医療は日本の多くの地方の遠くない将来の姿と捉え、フェーズフリーな僻地診療所の条件について吟味していきたい。
Tags 令和5年度第9回サイエンスカフェ
作成日 2024-01-25 10:18:36
更新日 2024-01-31 08:57:17




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