心拍減速と共感の逆U字関係
概要
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他者が悲しんでいる様子を見たとき,自分にもその悲しみが伝染してしまったり,その他者への思いやりが高まることがある。このような他者への共感を可能とする神経科学的・生理学的・心理学的メカニズムが検討されているが,本講演では自律神経系に着目した研究を紹介する。他者への共感に副交感神経系が関与することが明らかとなっており,近年の研究では副交感神経系の活動と共感は逆U字関係にある(副交感神経が高すぎても低すぎても共感は低下する)可能性が指摘されている。これは安静時の心拍変動を指標とした結果であり,他者のネガティブな状況に共感している間の副交感神経系活動とその他者への共感の度合いも同じような関係にあるか否か不明である。本講演では,ネガティブな状況にある他者の画像を呈示した直後の心拍減速を指標として,心拍減速と共感が逆U字関係にあるか否か検討した研究結果を紹介する。 |
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令和2年度第8回サイエンスカフェ |
作成日 |
2021-01-18 12:00:06 |
更新日 |
2021-01-18 15:15:53 |
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